オフィスのレイアウト変更で効率の良いオフィスに ~レイアウト変更の手順~


オフィスのレイアウトを考えるうえで重要な要素は、オフィスに求められる役割をしっかりと果たし、スムーズで効率的な業務の遂行が可能で、働く社員にとってストレスなく働ける空間をつくることです。オフィスのレイアウトに必要な要素は、それぞれの企業の業種や業態・働き方によって変わってきます。

自社に必要なオフィスの役割は何かを明確にしたうえで、効率の良いオフィスのレイアウトを行いましょう。




効率の良いオフィスとは

効率の良いオフィスとは、オフィスに求められる役割を明確にし、その役割を果たしたうえで効率良く業務が行えるように働く人たちを支援するオフィスです。また、社員が快適に過ごすことができることで作業の効率が上がったり、社員の満足度アップにつながるなどのメリットがあります。

オフィスに求められる役割としては主に、以下のようなものがあります。


・偶発的コミュニケーションの創出

・社員が集うハブとしての機能

・業務に合わせて働ける場

・常に学べる環境

→「オフィスが果たす役割とは」

偶発的コミュニケーションの創出

偶発的なコミュニケーションを創出するためには、オフィス内の動線やスペースに配慮することが必要です。

オフィス内を徹底してオープン化することで他部署との交流を図ったり、社員同士の偶然の出会いを誘発させるために人が自然に集まる仕掛けとして「オフィス内に他部署の人と共有する場所がある」「コミュニケーションのきっかけになる仕掛けがある」などのマグネットスペースを設置することなどが有効です。

また、そのコミュニケーションを活発にする仕掛けとして「オフィス内の動線上に簡易ミーティングスペースがある」「社内の多くの人が利用する共有スペースがある」「主要動線の中央にスタンディングタイプのミーティングテーブルを設置し、主要動線そのものをコミュニケーションの空間とする」などの工夫も大切です。


人が集まることによって、そこに自然と情報が集まる。さらにそこから新たな気づきやアイデアの創出が促される。このように、偶発的なコミュニケーションから新たな「知」が生まれることになります。

レイアウトやスペースプランニングにおいて偶発的なコミュニケーションを創出するような仕掛けや工夫をすることは、効率の良いオフィスづくりにおいて重要な要素です。


社員が集うハブとしての機能

オフィスの役割の一つとして、「ハブ」としての機能があります。

自社の経営理念や経営方針、独自の技術力や提供サービスなどを社員に周知させるために、「経営理念をわかりやすく掲示する」「独自技術の動画を作成しモニターに映し出す」「展示・資料スペースを設置する」などの工夫をしている企業が多くあります。

また、「ライブラリースペースを設けて個々の知識の向上を図る」「簡単な執務ができるシェアードスペースを用意して外部との横流を図る」「カフェスペースやリフレッシュスペースを設置して積極的な交流のサポートを行う」などもハブとしての機能を果たす一部になります。


オフィスはさまざまな情報交流の中で、新たな価値創造のための活動をサポートする役割も担っていく必要があります。そのためには社内の他部門・他部署との交流を活性化させるため、ゾーニングにも工夫が必要です。

関連部署だけでなく交流が少ない部署・部門同士を近くに配置することによって、普段交わりにくい情報の交流を活性化することもできます。もちろん業務上、支障がないように各部門・各部署の位置関係を考えることが重要です。


業務に合わせて働ける場

働き方の多様化に伴い、自分の業務に合わせて働く場所を選択できるようにさまざまなスペースを用意する企業が増えています。

フリーアドレス制を導入、どこでも好きな場所を選ぶことができるようにし、「どのような環境で業務を行うのが効率的なのか?・どんな業務を行うのか?」など効率がアップする環境に合わせてスペースを選択できるようにする。

たとえば、「見積書の作成」を「一人で集中して行いたい」のであれば、『1人用ブースで音を遮断できる・パーティションで仕切られ周りが気にならない・電話での通話禁止』といったスペースを選択。

あるいは、「プレゼン資料作成」を「アイデアを出しながら行いたい」のであれば、『オープンなスペース・他者とコミュニケーションを取れる・ホワイトボードなどアイデアを書き出せる』といったスペースを選択。


このように業務に合わせてスペースを選択することで、効率的な業務の遂行が可能になります。

スペースを効果的に運用するためには、自社にあったスペースの構築を行い、定期的に活用度のチェック・フィードバック・改善を行っていく必要があります。


社員の健康への配慮

オフィスづくりにおいて、社員の健康促進に貢献し、豊かな生活の支援を行うことは、すべての企業における共通の課題となります。

さまざまな働き方に対応した配慮を行い、働くすべての人の日々の生活を豊かにし、働きやすい環境をつくることが重要です。

「上下昇降型デスクを導入しスタンディングワークを可能にする」「リフレッシュスペースの活用を推進する」「スタンドミーティング用のオフィス家具を設置しスタンドミーティングを促進する」「軽いエクササイズができるスペースを設ける」などさまざまな工夫が可能です。

社員の健康的な活動を促進するために、オフィス内での工夫が求められています。

工夫次第では比較的簡単に実施できる対策も多くあり、小さなことからでも社員のために導入することが大切です。


常に学べる環境

企業を取り巻く環境は常に変化しています。

その環境の変化に合わせて社員の知識の向上を図るためのサポートをすることも企業として重要なことです。常に「学べる」環境を社内に設けることで、社員が新たな知識を得たり、さらに新たな知を創造することが可能になります。


また社外においても知の交流を行い、視野を広げる意識を持つ必要があります。それにより社員一人ひとりの専門性を進化させることにもなります。「ライブラリースペースを設け、常に新しい情報に触れられる機会をつくる」「新しい情報を掲示するスペースを設ける」「知の交流ができるようコミュニケーションの創出を図る」など、日常の業務の中で常に「学び」を意識できる環境を整えることが必要です。



効率的なオフィスレイアウトは企業規模によっても変わってきます。特に小規模企業においては、限られたスペースで効率の良いオフィスレイアウトを行う必要があります。

小規模企業での効率の良いオフィスレイアウトについては、こちらで詳しく説明しています。



効率の良いオフィスに必要なゾーニングと動線計画

ゾーニング

ゾーニングとは、オフィスの有効スペース内に各機能スペース(執務スペース・会議室・応接室・リフレッシュスペースなど)を位置づけ、割り付けることです。

オフィス内のあらゆる機能が最も効率的に発揮できるように、最適なスペースの配置を計画することが大切です。

ゾーニングは、使用人数や用途に合った面積を割り出し、各機能スペース間のアクセス・近接関係などを考慮して設定します。

また、防災・安全性、建物の設備条件、情報セキュリティなども考慮することが重要です。特に外部からの来客者が重要スペースに立ち入れないようなゾーニングするなどセキュリティ面を考慮することは重要です。


動線計画

オフィス内では、自分のワークスペースから会議室やリフレッシュスペース、OA機器や資料室など、さまざまな移動があります。

この移動を効率的にかつ他者の業務に支障がないように設定する必要があります。

動線計画によって、適切な通路の幅や長さ、人が滞留する部分の広さなどを考慮する必要があります。

動線計画においては、効率の良い移動も大切ですが、オフィスに求められる役割としてのコミュニケーションの創出なども含めて考慮する必要があります。


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効率的なレイアウト変更の手順


効率の良いオフィスレイアウト変更を行うためには、手順に従ってオフィスのレイアウトをつくっていくことが大切です。


必要スペースの洗い出し

執務スペースや会議室、ミーティングスペース、リフレッシュスペースなど、自社に必要なスペースの洗い出しを行い、各スペースに必要な席数や広さを算出します。

執務スペース(固定席:○席、フリーアドレス席:○席)、会議室(○席×○室)、応接室(○名×○室)

ミーティングスペース(○名×○室)、リフレッシュスペース(○席)、資料室(ラック○台分)


各スペースの近接関連度調査

執務スペース・会議室・応接室、などの各スペースの配置を考えるうえで重要な要素である近接関連度。

エントランスや執務スペースから会議室や応接室へのアクセスは、来客対応が多い場合とても重要になってきます。

エントランス ー 執務スペース

       ー 会議室

       ー 応接室

執務スペース ー 会議室

       ー ミーティングスペース

       ー リフレッシュスペース

       ー 資料室

       ー 共用スペース

必要面積の算出

必要スペースの洗い出しで算出した席数や広さを具体的な面積に落とし込んでいきます。

全体の広さに対して不足する場合は、各スペースの優先順位を決めスペース配分を考慮します。

執務スペース:○○㎡(○席分)

会議室:○○㎡(○席×○室)

応接室:○○㎡(○席×○室)

ミーティングスペース:○○㎡(○名×○室)

リフレッシュスペース:○○㎡(○席分)


動線の設定

オフィスを使用する社員が通る主要な動線や来客時に使用する動線などを計画します。
動線の設定
動線の設定

レイアウトの決定

必要なスペースをオフィスの形状に合わせて、レイアウトに落とし込みます。

各スペースの配置を決定する際に、近接関連度調査による配置関係や、各動線計画を考慮します。

レイアウトの決定
レイアウトの決定

レイアウト変更前の事前準備

レイアウト変更を行う前に、事前準備をしっかり行っておくことが、円滑で効率の良いレイアウト変更を行うポイントです。

 ・ナンバリング図の作成

  レイアウト変更後の図面に、ナンバーを振り分けていきます。

  実際にレイアウト変更を行う際のもとになるので、ナンバーの振り分けモレなどがないかを確認しましょう。


 ・荷物まとめ

  レイアウト変更に関わる場所にある荷物の整理が必要です。

  特に書類などは、この際にきちんと整理を行い、必要なものだけを残すようにしましょう。

  ダンボールにはナンバリングをして、行き先と何が入っているか分かるようにしておきます。


 ・ナンバリング

  レイアウト変更に関わる場所のデスクやチェア、キャビネットなど、動かすものはすべてナンバー管理をします。

  ナンバリング図を参考に、各什器にナンバーを書いていきます。


 ・レイアウト変更手順の決定

  レイアウト変更には多くのオフィス家具・什器の移動を伴いますので、ある程度のスペースを確保する必要があります。

  実際にレイアウト変更を行うことを想定して、シミュレーションをしておきましょう。

  どこから始めるのかを考え、妨げになりそうなものは別の場所に移動させておくなどの必要があります。

  図面上では分かりにくいですが、実際に物を動かすには少しゆとりがあると思うくらいのスペースを用意しておくのが良いです。


レイアウト変更

レイアウト変更の手順に従って、レイアウト変更を行います。

ナンバリングされた什器やダンボールや荷物が、きちんとナンバー通りに仕分けされているかを確認しましょう。

また行き先が不明な物などは、一纏めにしておき問い合わせ先を周知しておくと良いです。




オフィスに求められる役割は、企業を取り巻く環境によって大きく変わります。

それに伴い、効率の良いオフィスレイアウトも変わってきます。

効率の良いオフィスづくりを行うためには、その時に合ったオフィスのレイアウトに、フレキシブルに変更していくことも必要です。

レイアウト変更をうまく活用して、効率の良いオフィスを実現しましょう。


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